秘密裏に進めていた新型ジグヘッドの真意とは?
デプスニュース16も中盤戦に差し掛かり、ここで奥村さんが披露してくれたのが新しいタイプのジグヘッド。
先細りのヘッド形状でいろんなサイズサンプルが用意されていたが、コレはズバリ、ワインドアクションを追求したジグヘッド。
このジグヘッドが生まれた経緯は、奥村さんが北海道でロックフィッシュゲームをした時のことにさかのぼる。
ロックフィッシュもよく釣れ、次はフラット系のターゲットも狙ってみようとなった時、使ったのがワインドアクションに長けたジグヘッドだった。
この時に使ったのはご当地ジグヘッド的なアイテムで、重さは1ozほど。とにかく釣れたそうな。
ほかにもいろいろな重さもあったそうだが、軽いウエイトを使ってみたところ意外に微妙な反応だったらしい。
アクションの雰囲気的に軽いウエイトもあった方がイイ。ただ、この時使った軽いタイプは微妙。
じゃあ作りますか!となったのが、手掛けたキッカケ。
現時点で1.5g、3.5gのライトウエイト。
5g、7g、10gのミドルウエイトもしっかりテストしているが、奥村さん的には海で使える1ozあたりまでほしいとのこと。
ただ、このタイプのジグヘッドを作るにあたって、バスが釣れないと話にならないなと。
そこでバスフィッシングでも出番が多そうな軽いウエイトから着手しているそうな。
こだわったのは形状だけじゃなくバランス
バスフィッシングでもここ近年で注目されているのが、ワインド系アクションのアプローチ。
ルアーの動きをライブスコープで見ながら操るイメージもあるが、実際はオカッパリでリアクション的に使用しているアングラーは多い。
プロトのジグヘッドは、わりと細軸ロングシャンクのフックを採用。
ヘッド形状は水を受けやすく逃がしやすい三角形で、特にこだわったのはアイの位置。
アイをヘッドの中央や先端部ではなく、ワーム側に寄せることで、リグの姿勢を水平にしやすくなり、移動距離を抑えてアクションを仕掛けやすくなる。
写真下・元々は上段のアイポジションだったが、アイを後ろにズラしたタイプ(下段)が現行のプロト。
ウエイトバランスが頭側にきそうだが、ワームをセットすることでバランスに偏りが生まれにくく、ラインを引っぱった時に水も絡みやすくなる。
小さいワームをセットした時は頭で水を切り裂きやすいが、持ちあげた時は片面で水を受けて逃がす=ダートしやすい。
チョン掛けしたワームに掛かる抵抗とワッキー掛けしたワームが受ける抵抗の違いをイメージしてもらえれば分かりやすいだろうか?
支点が変わるとアクションも大きく変わる。ラインスラックをうまく使うことでアクションの幅も大きく変化する。
奥村さんの経験談だが、ここ近年は急速にライブモニター系が進化したため、今までは想像でしか分からなかった水中の状況が目で確認できるようになった。
これは魚を釣るうえだけじゃなく、見えなかった水中でのルアーアクションや反応も確認しやすくなった。これはこれでモノ作りする時も便利になった。
ただ、こういった環境下で釣りをすると、マイナス要素を感じることも多い。
今まで通りにサカマタシャッドのジグヘッドミドストをやっていても、魚の反応が丸見え。
特に、見切られた時ほどハッキリ分かる。
奥村さんは基本的に自分のスタイルで食う魚を探しだすため、あまりライブモニターに頼る釣りはしない方だが、付いてきても食わない。食ったと思っても食ってないのが分かってしまう。
あの勢いで飛びだしてきたのに食ってないこともある。
魚はいるけど食わない。
この反応を目の当たりにした時に試してみたのが、このジグヘッド。
横方向のレンジを泳がすタイプとは異なり、ワインドダートで上下左右、縦横無尽にアクションしてくれるプロトジグヘッド。
これで同じ場所を攻めると、見事に食ってきたとのこと。
その時に使っていたのは、プロトジグヘッドの5gにサカマタシャッドの5inch。
跳ね上がるダートアクション。
ボディ両側面に備わるキールにより、ただフックセットするだけでベイトフィッシュが見せる跳ね上がるようなダートアクションを自然に生み出し、イージーにバスの捕食本能にスイッチを入れてくれるスティックベイトです。
ノーシンカーでは、アユやハスが水面へ逃げ惑い、時折勢いよく水面から飛び出すような跳ね上がるダートアクション、スプリットショットやキャロライナリグのボトムレンジでも、バスに気付きボトムから突然現れ姿を隠すような跳ね上がるイメージでアクションすれば、“サカマタシャッド”の性能を発揮し、いとも簡単にバイトへと導いてくれます。出典:デプス
この時はテストも兼ねて使っていたため、サカマタシャッドのテール側にネイルシンカーを入れて姿勢を調整。
なるべく頭下がりにならないように調整することで、フォールさせた時もナナメにグライドさせながら落とすことができた。
このフォールアクションの要素も取り込むため、ヘッド形状やウエイトバランス、アイポジションなども変更。
操作した時のアクションと、フォールさせた時のアクションどちらも具体化し、現在の形状にたどり着いたそうな。
このジグヘッドはテスト時にサカマタシャッドにセットしていたが、実際はデスアダーのようなタイプでも使えるシロモノ。
一般的にはラウンドヘッドのジグヘッドでミドストやジグヘッドスイミングをする人も多いはず。
リブボディのストレート系ワームにセットすれば、ワームの重量で姿勢も頭下がりになりにくく、ボディ全体で水を受けながらフォールしてくれる。
また、フックが細軸ロングシャンクでウエイトに幅をもたせることで、サカマタシャッドやデスアダー以外のワームでも面白い使い方ができる。
奥村さんいわく、スレンダースキャットのようなストレートタイプのワーム。
高比重スティックベイト。
ソルト含有量40%もの高比重マテリアルのスティックベイト『スレンダースキャット』。
細身ながらも太くハリのあるボディを自発的にくねらせながら落ちていく様は、より生命感の強い波動を生み、高比重ながらも水流抵抗を受けることで、じっくりとフォールを見せバイトを誘います。
両側面の姿勢制御フィンはフォール姿勢を安定させ、ダート時には跳ね上げアクションを見せるキールの役目を果たし、また膨らみを持たせたテールが、遠投性とより水押しを強めアピールを高める役目となります。
本領発揮するノーシンカーでのフォールバイト、移動距離を抑えたワッキーリグ、テキサスやジグヘッドなど、縦や横の動きにも対応してくれるスティックベイトです。出典:デプス
スレンダースキャットはテーパーのない真っすぐな形状のワーム。
こういった形状のワームにセットすることで、フォールベイトとしても使える。
さらに、フォールさせてからボトムで立たせておくことも可能になる。
イメージとして、昔からバスフィッシングを追い続けているアングラーなら分かるかもしれないが、何の変哲もない硬いストレートワームにジグヘッドがセットされたウェスティワームに近いらしい。
真っすぐ落とせるフォールベイトとして真価を発揮したウェスティワームだが、この釣りにおいては最強だった。
ただコレはもう30ー40年以上前(もっと前かも)のメソッドでありワーム。
そんな昔の釣り方だが、これほど効いたアプローチ=本当に強い理由がある。
同じタイプのモノがない今でこそ試してみる価値がある。
完成に極めて近づいたデプスのワインド用ジグヘッドだが、ベーシックコンセプト以外の使い方も生まれてきそうな雰囲気しかない。
セットするワームによって新しいムーブメントが起こるかも。新たな可能性も秘めた新型ジグヘッド、完成を楽しみにしたい。