このナマモノ感…スイムベイトもここまできた!
2019キープキャストのデプスブースに展示されていたことでご存知の方も多いはず。その名も「フナ(仮称)」。
インパクトしか感じないその風貌は、未だかつてない可能性を秘めている。
奥村さんは2019年、3回の池原ダムロケで現場投入していたそうだが、ほかではマネできない質感やリアルさ、生きているようなアクション&存在感による集魚力の強さは行くたび身を持って感じてきたとのこと。
噂では10投もすれば身体がバラバラになる(⁉)ほど、とにかく重たいのだが(全長370㎜で自重は850g!!!!)、浮かせているだけでも複数のデカバスが見にくるほどの威力を秘めたモノ。ただ、コイツをヨユーで食いきれるまでのサイズとは遭遇していなかったそうな。
デプスでスイムベイトといえば「ラドラビット」だが、誰でも扱えるお手頃サイズ。他を圧倒するような大型のスイムベイトはなく、必要なのではという声もプロスタッフたちの間から多く耳にしていた。もちろん奥村さん自身も感じていた。
そんなフナ型マグナムスイムベイト、生まれた経緯は過去の池原ダムでのデカバス遭遇シーンからはじまった。
何をしても動かないモンスターサイズの群れに遭遇。しかし…
長い間、池原ダムに通っている奥村さんだが、かなり昔、とあるレイダウンを通りかかった時、根元に60-65㎝をゆうに超えるデカバスたち複数が付いていたそうな。
それを見て手出ししないわけもなく、ラバージグでカスめるようにアプローチしてもガン無視! フォールで頭に当たっても無反応なほど、食ってくれそうな気配は微塵も感じなかった。そんな時、沖側から池原名物である巨大なヘラブナの群れがボートの下を通りすぎてきたとのこと。
すると、今まで動かずに無反応だったデカバスたちがすべてヘラボールのあとを追うように泳いでいったのを確認。抜け殻になったレイダウンをあとにして、しばらくすると再びデカバスの群れがレイダウンに向けて戻ってきたのを目撃した。
そのデカバスをよく見ると、口からデカいヘラブナであろう尻尾がでたまま泳いでいたらしく、おそらくレイダウンに隠れてエモノであるヘラボールを待っていたのだろうと推測。デカいバスほどデカいベイトというが、1回の捕食行動で効率よく栄養を吸収するにはもってこいのベイトといえる。
口からは収まりきらない長い尻尾、エラからはデカいウロコがこぼれていたので間違いない! デカバスのマッチザベイトは巨大なヘラブナだったのだ。
その衝撃的なシーンから密かに製作してテストしてきたのが、このキングサイズのスイムベイト「フナ」だ。
もう一度記載するが、全長370㎜で自重は850g! アングラーの折れない心と豪竿・ストロングマインドだからこそ扱えるウエイトであることをお忘れなく。
質感、艶めかしさ、存在感はスイムベイトが勝る!
スイムベイト=ワーム素材のため、浮かせたり泳がした時の水押しや質量はABS樹脂製のハードベイトと比べると軟らかくて重い。極めて生き物に近い波動も生みだせる。骨格となるコアを分厚い質感のあるマテリアルで包み込んでいるが、持ってみるとまさに生き物と同じか、それ以上に艶めかしい!
さらに、見ためのリアルさとコダワリで、胸ビレや腹ビレ、尻ビレから表面のウロコ模様など、あらゆる部分を作り込み、現時点のホンモノ感に到達。
奥村さんいわく、テストサンプルを作る際に型取りデータを業者に送ると、サイズ間違えてませんか? と即連絡はあったようだが、ヒトコト「間違えてません」と返したとのこと。
ハンパなくデカいギラギラコウゲキで365㎜・330g。並べると分かっていただけるだろうか?
実物の存在感は2020年度のフィッシングショーやイベントで体感してみるべし!
ただデカいモノばかりじゃなくコブナサイズも存在!
巨大なヘラブナをイミテートしたお化けサイズのフナだが、正反対で小さいモデルも製作していた。
奥村さんいわく、プロトのフナJr.(仮称)は高速巻きも得意とするハイレスポンス系スイムベイト。サイズは130㎜で38g。
これもフナと同じく、骨格となるコアをソフト素材で包み込んで見ため以上の質感とリアルさを実現。カラーリングも見事だが、リアルなヒレの動きもヤバい。
構造上で大きく異なるのは、フナJr.はラインスルーシステムを採用しているところ。
魚が掛かればボディとフックがフリーになるため、重量級ルアーでよくあるファイトで振られた時のフックオフを抑えてくれる。
フナと比べるとサイズ感覚はボケてしまいそうだが、リザーバーをはじめ、池や河川にもいる小ブナ~中ブナサイズにドンピシャ!
フィールドを問わない対応能力の高さを発揮してくれそうな雰囲気しか感じさせないサイズ。
フナの2タイプを並べると、あまりに極端すぎるサイズ感。奥村さん的に、夢を追いかけるなら間違いなくデカい方とのこと!