深い場所で当て潮! 非常にムズい状況を打破する連発パターンとは?
ファーストアタックで入ったのは、外海に面したディープゾーン。
一般的にいえば、夕マヅメの時間を過ぎて、深い側からアジが回ってきやすいシチュエーションと捉えていただこう。
抵抗が少ないタングステン製のアジスタ!TG Sの2gで底に沈むまで60~70カウントだから、かなり深い。
カウントダウンの速度はジグヘッドやセットするワームの抵抗、潮の流れにもよって変わってくるが、普段よく使うジグヘッドの重さで着底まで何カウントというのをベースに、感覚とともに覚えておきたい。
ただ深いだけなら延々とカウントダウンすればリグは着底するが、この日は当て潮!
向かい側から潮が流れてくるので、リグやラインもコチラ側に流されやすい状況。
当て潮の時はテンションを掛けすぎたり、リグが軽かったりすると、底に沈んだ時は足元ということが多い。
でもトミーのイメージは、できる限り沖で沈ませて底を取るというもの。
こういった場所は足元が意外に浅くて途中から急に深くなる。
アジはこういった所にポジションしながら、深い側や浅い側を行き来する。
深いうえに、動かしすぎると手前に流されてアジのポジションを通り過ぎる。
結果、足元にジグヘッドが引っかかりやすくもなる。
かなり難しい状況だったが、そこはトミー! イメージ通りのポジションにジグ単を送り届けてバイトを誘発。
底までしっかり沈めたあとは、アジのいるであろう底付近のレンジをトレースしていた。
言葉だけでは簡単に思えるが、沈めたあとがもっとも慎重かつ繊細なアプローチ!
使用していたリグは、タングステン製のジグヘッド「アジスタ!TG S」の2g。
●土佐かぶらでアジ金針と並んで人気のアジ白針を踏襲した玄人好みのプラチナ(白金)カラーフック! 細くても強く、鋭い刺さりが継続するハイカーボン素材を使用。
●アジスタ独特の速掛け対応のオープンゲイプにすっぽりと口に入りやすいショートシャンク形状。
●ラウンドベースのタングステンヘッドで抜群の飛距離が出せ、斜めに入った水受け断面で操作感が高い!
●タングステン特有のヘッドの硬さが、水中やボトムなどの状況を鮮明に伝達。
●TG-MHサイズのみ、大物対応のTICT史上最も太軸のフックを採用。出典:ティクト
これにプロトのブリリアント1.8inchをセット。
同じ重さで、鉛と比べて抵抗とシルエットがぐっと小さくなるのが、タングステン素材のジグヘッド。
タングステン素材がもたらすアドバンテージとして、空気&水流抵抗の減少で飛距離が伸びたり沈下スピードが速くなる。
深い場所に落とし込むなら確実にタングステン素材のジグヘッドが便利。
また、シルエットが小さくなる分、ヘッドが受ける水の抵抗も少ないため、深い場所で同じ重さの鉛製ジグヘッドを使う時よりも明確な操作感を実感できる。
トミーが使っていたロッドはNEWスラムUTR55(プロトサンプル)だが、近距離戦もこなせるマイルドなティップでもディープレンジで2gジグヘッドをしっかり動かすことができる。
通常、深い場所で2gジグヘッドは少々張りの強いロッドが動かしやすかったところ、抵抗の少ないアジスタ!TGなら、フィネス寄りのアジングロッドでもメリハリの利いた操作が可能というわけ。
操作感は非常に大事だが、この時もっとも大事だったのが、着水点から手前(自分の方)に流されず、その下から探りあげてくるイメージ。
着水点で真下イメージに底まで沈めても、自分に向かって潮が流れるため、誘いを仕掛けられるのは3-4セットが限界。
それ以上続けるとアジのいる場所を通りすぎ、足元に返ってきて根掛かりしやすくなる。
アジが付く場所は、真下ではなく着水した場所の障害物周り。
その中でもアジは深い側にポジション。
このストライクゾーンから外れるとバイトはない。
さらに、リグが手前に流されることで、アタリもせずに根掛かりする。
この狭いストライクゾーンの中で、リグに生命感を与えてアジにワームを見せていく。
こういった環境だけに、ピンテール系よりも水を掴みやすいパドル系のブリリアントがハマっていたかもしれない。
ただ、難しいことに、動かしすぎると浮きあがって手前にくるし、動かさないとリグだけが沈んでレンジも変わる。
トミーいわく、昔から鉛製のアジスタ!S2gも多用しているが、抵抗が大きくなる分、細かいレンジキープが難しかったとのこと。
沈めないようにコントロールするとリグが上下動しやすくなるので、ロッドティップに掛かる抵抗も大きかった。
タングステン製のアジスタ!TGであれば、同じ2gでも鉛の1gクラスに相当する抵抗感で操作が可能。
これは大きなアドバンテージでしかない!
この時の操作イメージは、浮きあがりが少なく沈みやすいリグをロッドティップで軽く持ちあげながら泳ぐレンジをキープ。
ロッドを上にさびきながら軽めのテンションを掛けることで、引っ張りすぎずにリグの自発的な沈下を抑えることができる。
さらに、潮流を使うことで自然にラインを引っ張り、ナチュラルに平行移動させることができる。
かなりテクニカルな表現だが、相当深い場所でコントロールしにくい潮の向きの中、底付近で移動距離を抑えて狭い場所に送り込む。
普通なかなかできるものじゃないが、一番大事なのは、狙いたいレンジ・食ってくるレンジをしっかり探っていくこと!
アジが食ってくるレンジは急に変わったりするが、このレンジを探しだすことが連打パターンにつながる。
これがトミーの求める再現性であり、アジングの面白いところ!
トミーは試行錯誤しながらも、ディープレンジの底付近で極めて狭いストライクゾーンにリグを送り届ける微調整を繰り返し、絶妙のコントロールでバイトしてくるポジションとレンジを把握。
そこで待っていたのは、怒涛の連発劇!!