デカバスのみを食わせる奥田流フィネスの神髄を暴く!
曇天、快晴、雨、増減水、水温やカレントの変化。非常に水が入れ替わりやすい梅雨初夏シーズンの到来。
Vish 奥田学ビッグセオリーvol.14は、雨の恩恵のないタイミングで出撃。
毎年、梅雨明けまでは天候次第で不安定な状況となるが、このタイミングのデカバス狩りでキーとなったのは「フィネス」展開。
春以降からしばらく荒れ続きなどもあり、奥田が湖上に浮くのは約半月ぶり。これってけっこう珍しい。
状況把握も兼ね、長浜エリアの沖からシャローで情報収集しながら、感じていた状態に気づく。その状態こそ「ポストスポーン」。
毎年、スポーン全盛の5月中を過ぎると、6月中はポストスポーンで非常にキビしい時期に突入。
4月から5月は大潮の周期でスポーニングだが、今年は水温低下が響いたのか、それともプレッシャーが上回ったのか、潮回りよりも水中環境が整った瞬間にスポーニングが行われることが多くなったと感じることが多い。
つまり、スポーニングの進行は南から徐々に北上が今までのセオリーだったが、今やエリア内の環境次第で行われるため、西岸も東岸も広範囲で同時進行していることも考えられる。
そんな気難しかった6月で最大の分岐点は梅雨の雨!
梅雨と聞けばトップやビッグベイトでドカーン! といきたいところだが、その景気よいパターンに行き着く前の最大の難関となった。
実際、スポーニングでシャローからミドルにステージングした個体は、スポーンを終えても生息域は大きく変わらない。
魚は動ける体力がない状態で、季節的にも小さなエサ(稚魚系マイクロベイトやハゼ、エビなど)が多いため、素早く動くモノ、大きいモノに反応しないデカバスが多い。
ビッグサイズは間違いなくいるが、環境変化ですぐにスプークする。季節は不安定な梅雨、その状況でも手堅く食わせられる展開こそが「フィネス」アプローチ。この状況は今に始まったワケではなく、昔からの普通の流れ。
今回は、あえてポストスポーンビッグを的確に食わせるフィネステクを実践してもらった。
梅雨が明けるまでは太陽がかげると一気に体感気温も低くなる。風が吹けばなおさら。
そうなれば魚も同じこと。
その環境変化に合わせていく展開が、奥田の実践するフィネスの神髄。
釣れる時間(魚が動く時間)は1日のうちでもごくわずか。
その瞬間に、どうのようなアプローチがベストかを見出すことが釣果を伸ばすうえで必須となる。
曇天で気温も上がらない中、ロケ時で魚の活性感がUPしたのは、朝から2-3時間のタイミング。
ここで奥田はフィネスのローテで勝負にでる!
魚体を見れば一目瞭然! スポーンから回復前のポスト個体。
いるけど食わないややこしさ全開なのが、ポストのビッグバス!
ただ、中には同じような環境でも初夏に向けて進行している個体もいる。
この複雑怪奇なパターンをいかに攻略するかが、アーリーサマー前の琵琶湖北湖。押しっぱなしの展開ではたどり着けない答えがある。
この状況における答えは、ボトムから浮かさないネコリグにアリ!
昨年同時期はデカバスラッシュだったが、今年の季節感は大きく異なった
狙い定めた気温上昇のタイミングは季節感を先取りしたクルージングをサーチ。
ほぼ魚はいない状態だったが、水温上昇でシャローにステージングする個体をI字系で探り、魚が意識する目線とスピードを合わせていく。
昨年の同時期ロケはご存じの通りモンスターバスラッシュだったが、その気配は皆無。
初夏の風物詩でもあるアユも少なく、水温も片山エリアで16度。
とても梅雨時期というには早かった。
ウロつく個体もなく、見切りをつける直前にシャローをクルーズしはじめた見えバスと遭遇。
単発で動きもニブく、スローダウンを余儀なくされたが、スイムベイトのボトムアプローチという新たな引出しでビッグサイズを攻略!
その後は湖北・奥琵琶湖エリアを周回しながらタイミングをうかがうが、シーズナルパターンの遅れか、これが正常な季節感なのか、なかなか答えが引きだせないまま、アーリーサマーパターンとポストパターンの狙いドコロに悩む時間が続く。
広範囲を流してサーチを試みるも、季節感と魚のポジションが一致しない。
シャローで泳ぐバスを確認しても、エサとなる稚鮎がリンクしないため、エサを追う・食う動きは一切ない。
たまに表層付近でサスペンドしているデカバスもいたが、すぐに潜ったり、定点で止まることなく泳ぎ続ける個体のみ。
こういった個体を深追いするのは危険すぎる。
奥琵琶湖エリアよりも季節感が早いであろう湖東・長浜方面まで戻った奥田は、ミドルからシャローのポストスポーンエリアで様子を見るが、押しても引いても反応がない。
わずかな可能性に賭けてフィーディングエリアでのビッグベイト展開にシフトしつつ、消去法でパターンをシュリンク。
いるけど食わない魚がいるはず!とラストにシフトしたのは「ポスト攻略のフィネス」、ネコリグだった。
スロープに戻る直前、脳裏によぎったモンスターバスの気配。
放ったネコリグのボトムアプローチに反応したのは、まぎれもないモンスターサイズ!
掛けてからサイズが分かりにくいポストスポーナーだが、コイツは引きの強さが違う。
慎重にファイトを繰り広げながら手にした個体は、文句なしのロク越え!!
起死回生の一撃は、62cm・3900gのポストモンスター。
そこにいるけど動けないビッグサイズに口を使わせるのが、昔からの王道であるフィネスアプローチ。
今回は、まさにフィネスの集大成!
■Vish 奥田学ビッグセオリーvol.14