メインの展開はウイード対策のバイブレーション展開
ロケ日程はずいぶん前に決まっていたが、まともに釣りができるのか不安だったほどロケ数日前に雨が降っていた旧吉野川。
ただ水質が回復するのも早いため、ロケ時の今切川スロープ前はインサイド側に少し濁りが残っている程度だった。
ウイードが多いことは事前に聞いていたキムケン。
季節柄、ハードベイトの使いドキということで用意していたのが、イヴォークバイブ(プロト)。
キムケンスタイルでも数回に渡ってロケ中に使用感のテストを繰り返していた一品。
現在はほぼ最終段階までブラッシュアップされたモデルとなり、ロケ後の最終テストで製品化に持っていけるまで完成度を高めていた。
フックはピアストレブルの#5を前後にセット。
キャッチ率を上昇させる事で、釣れるルアーを創り出す。RYUGIトレブルのフラッグシップ。
いくら良いルアーだったとしても、フックのせいで魚が掛からない、獲れないのでは全く意味が無い。トレブルフックについて、もっともっと考えて欲しい。トレブルフックに求められる性能とは何か?魚がルアーにアタックした際、フックポイントが魚体に触れやすくする為のワイドゲイプ。ポイントが触れたその一瞬で、魚体に食い込もうとするような刺さりの良さ。アワセたパワーをしっかりと、素早く貫通力に変換できる絶妙な内向きポイントデザイン。掛けた魚に主導権を奪われず、確実に取り込む為の強度を有する、ピアスフックで培ったオールベンドデザイン。トレブルフックの宿命と言えるフックポイントのルアー本体や障害物等への断続的な接触でも、フックポイントが鈍りにくく鋭さが長続きするような耐摩耗性特殊鋼材サイバーメタルの採用。
実践を通して見えて来た理想の形状と素材に、タントラムコントロールに採用した異次元のフッキングパフォーマンスを持つTCコートを採用。RYUGIの持てるノウハウを惜しみなく注ぎ込んだ、至高のトレブル。
出典:リューギ
最終モデルには前に#4、リアに#5をかつげるようにセッティングしている最中とのこと。
ボディはコンパクトで、コンセプトはイヴォークシリーズ同様、猪突猛進系!
ボディ下部にウエイトを配置することで、立ちあがりの速さと浮きあがりにくさを両立。
キムケンいわく、バイブレーションプラグは、かなりの精度をださないと真っすぐ泳がせるのも難しいルアーの1つとのこと。
このルアーのルーツや製作裏話は、Vishで配信している「Roots of Deps」最新話をチェック!
キムケンいわく、手持ちのイヴォークバイブはフロロで遠投すれば水深2.5mをレンジキープできるそうで、ウイードがなければ沖のブレイクやチャンネルなどもオカッパリで一網打尽にできる。
ただ、このウイードだらけで切れ藻だらけの旧吉では深く潜らせる意味がない。
そこで持ち込んでいたタックルが、PEラインにグラスロッドというセッティング。
すぐに引っかかってきそうなウイードをバシバシ切れる操作性をもたらすのがPEライン。
そして、フロロのように沈まないPEラインで巻けば、イヴォークバイブの泳層をさらに浅くできる。
イメージでいえば水深1mちょいを引くことができるとのこと。
このセッティングであれば、この時の旧吉でもちょうどよいと判断。
キムケンが用意したタックルはグラスロッドのWDC70MGに、エックスブレイド・オルトロスPE WX8P1の4号。
このPEセッティングでハードベイトを使う際の注意点を紹介
伸びがなく高強度のPEラインでルアーを巻く場合、リールのドラグを軽めに設定したい。
ドラグを締めすぎると、バスがバイトした時にフッキングでフックが伸びてしまう可能性が高くなる。
巻いている最中にウイードが触れたり引っかかった時はPEの伸びのなさを活かすわけだが、撃ちモノのようなパワーゲームをハードベイトでやってしまうと、針が伸びたり、身切れしたりも考えられる。
特に、状況によってショートバイトも起こりうるため、フックは大事!
PEラインを使う時は針に掛かるダメージも減らすことが重要になる。
そういった考えの元に用意したグラスロッド&PEライン。
このセッティングだとわずかなバイトもダイレクト! 開始早々、イヴォークバイブにバイトが発生するが、掛かりきらず。
この状況から、昔のようにリップラップエリアでもハードベイトに反応する魚がいるのではと展開を再構築。
その読みは見事に的中。
飛ばずに残ったウイードパッチが点在するリップラップエリアでは、ランディング寸前で獲り逃した1本もあった。
ただそれで終わらないのがキムケン。
リップラップの浅い側をちょい投げでトレースしながらウイードパッチも絡めたリトリーブで、WDC70MGがブチ曲がる!
身切れさせないドラグファイトで的確に寄せながら、足場の悪さも考慮して一気にブチ抜いたのは、旧吉ビッグ!
このサイズが食ってくるのは旧吉野川ならでは!!
さらに、翌日も狙いはリップラップエリア。
開始早々、バズベイトにもチェイスはあったが、魚は岸よりも一歩手前からチェイス。
切れ藻が多いエリアだけに、まともにルアーを引ければ魚と勝負ができそうということで、折り返して流し直しのイヴォークバイブ。
ここでも真価を発揮したのは、切れ藻に負けないPEセッティングでの巻き攻め。
回収直前の足元で食ってきたのは、超健康体!
ウイードが多すぎるためか、プレッシャーのためか、昔のように岸沿いに差してくる個体は少ないそうだが、タイミングさえ合致すればハードベイトでもバイトを誘発できる。
特に切れ藻が発生しやすい晩秋から初冬のタイミング。旧吉野川をはじめ、大江川や遠賀川などのメジャーフィールドでは切れたニラに邪魔されることが多い。
こういった場合はキムケン式PEセッティングのハードベイティングがバイトに導いてくれるはず!
ちなみにキムケンいわく、ずっとテストしていたイヴォークバイブは、とある部分をイジったら、格段にピッチがUPしたとのこと。
内部も少し調整し、納得のいくハードベイトとしてほぼ完成したそうな。
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